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2007年1月25日 (木)

企画展『ひだまり』を目前に控えた本人に直撃
写真家・清水哲朗さんは写真集コレクター?

都内某所のパーティ会場で、CAPAでもおなじみの写真家・清水哲朗さんを発見。目前に迫った写真展について伺った。話題は学生時代の“ある出会い”にまで広がり、意外な事実も判明することに!

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「展示写真の構成を終えた瞬間に、僕の心に“ひだまり”ができました」とおだやかに微笑む清水哲朗さん。NHK教育テレビ『趣味悠々・デジタル一眼レフ撮影講座』の講師役も決まった(4月3日スタート。毎週火曜日22時~/ 5月29日まで)。要チェックだ!

自分の中の“ひだまり”をイメージ。
近年は写真展の醍醐味にはまっている

 - 今度は“ひだまり”がテーマですか?
清水●テーマというか、モチーフ、きっかけですね。行きつけの美容師さんから「私、ひだまり好きなんですよ。清水さんなら“ひだまり”をどう写しますか?」と聞かれて即答できなかったことがきっかけとなり、自分なりに“ひだまり”を表現しようと思って撮り始めたのが今回の作品群です。
 - ドキュメンタリーや風景写真ではないとか。
清水●はい。いわゆるスナップ写真。すべて国内での撮影です。
 - スナップというと中判カメラ、ではない?
清水●ええ。パノラマが撮れる富士フイルムのTX-1とコンパクトカメラのクラッセ。それに使い慣れた一眼レフカメラで撮りました。全紙6点、半切30点の計36点を展示する予定です。
 - 作品のチョイスは苦労されましたか。
清水●自分なりに描いていたイメージが撮れている作品を展示枚数の3倍ぐらい集めて、それを会場の壁面に合わせた今回の枚数まで絞っていきました。好きな写真があっても、似たようなイメージが続いてしまった場合は外しました。
 - すんなり決められましたか?
清水●わりと。ただ、この作業は自分の作品の場合、つらい。やはり思い入れがあるから。仮に他人のなら、「えいっ!」って思いきり外せるのでしょうけど(笑)。構成は、作品を差し替える微調整をしながら、何日かかけて、ようやくまとまったという感じですね。
 - そういえば、ここ数年は毎年写真展を開いていますね。
清水●たしかに企画展や名取洋之助写真賞の受賞作品展も含めて、2002年から毎年写真展を開いています。やっぱり会場や作品イメージに合わせて大きなプリントで見せられるのはいいですし…、例えるなら、映画をテレビじゃなく劇場の大きなスクリーンで観るようなもの。それに何といっても、写真展を見に来てくれた方々の生の声、感想が聞けるのはプライスレスな価値がある。この味わいはやみつきになってしまいます。
 - なるほど。雑誌や写真集、それにネットなどでは見てくれた人たちの反応がダイレクトに伝わってこないですものね。

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とにかく写真好きの清水さん。プロの写真家だから当たり前と思われがちだが、ヘンな意味での仕事としての割り切り感はなく、写真に対するやさしいまなざしがひしひしと伝わってくる。この日も新作ピンホール写真のプリントを持参。清水さんのまわりには自然と“ひだまり”ができていた。

五感を刺激される写真集の魅力
いずれは自分も作ってみたい!

- では、写真展ではなく写真集のおもしろさはどこにあると感じていらっしゃいますか?
清水●写真展ほど大きくは作品を見せられませんけど、点数や構成などで写真家の“よりいっそうの気持ち”を濃密に込められる気がします。見る側の立場からいえば、自分の好きな時間に好きな作品と出会うのなら、紙媒体のほうがいい。本の重みを感じながら1枚1枚ページをめくっていく行為というか、その時間が至福なんです。それに紙媒体だと五感をくすぐられますからね。少なくとも視覚と触覚は使うでしょ。あとページをめくっているときに嗅ぐインクの匂いで、嗅覚も使いますから(笑)
 - あー、たしかに(笑)。紙質の風合いとか肌ざわり、装丁のデザインとかも、写真家としては表現の一環としてこだわれたりしますし、見るほうとしてはそこもわりと楽しかったりする。
清水●ええ。写真はカラダに刺激を与えながら見るといいですよ。いろいろと五感を使うことで記憶にも鮮やかに残るし、さらに受け手側のイメージも膨らみますから。
 - 触発された写真集とかはありますか? 新刊じゃなくてもかまいませんので、さしつかえなければ具体的に教えてください。
清水●けっこうありますよ。いま頭に浮かんだのは、『天地聲聞』(竹内敏信 / 出版芸術社)、『アニマル黙示録』(宮崎学 / 講談社)、『メメント・モリ』(藤原新也 / 情報センター出版局)ですね。
『天地聲聞』は竹内敏信写真事務所に入って初めてこの写真集を見たとき、「こりゃすげぇ」と力でねじ伏せられた印象があります。2003年発刊の『天地(あめつち)』は竹内敏信師匠の風景写真の集大成ともいうべきもので、さらに凄いです。
『アニマル黙示録』は書店でページを開いた瞬間、ガツンと衝撃が走りました。ちょうど僕はそのころ東京のカラスやネズミなどをモノクロで撮影していて、「すごい」よりも「やられた!」という印象が強かったのを覚えています。写真集は吟味して買う慎重派なのですが、このときばかりは“即買い”しました。
『メメント・モリ』は写真学校に通っているときに初めて買った写真集だったと思います。写真のメッセージ性というものを強く感じました。「現実逃避してはいけない。中途半端な気持ちでカメラを持ち、写真を撮ることはいかがなものか」と本気で思いましたよ。さらに『アメリカンルーレット』という写真集でダメ押しされ、藤原新也さんテイストの作品を目指した時期もありました。僕、けっこう影響されやすいんです(笑)
 - 写真家の中には、他の人の写真集はほとんど見ない、あるいは見たとしても公言しない方もいらっしゃいますが、清水さんはかなり写真集がお好きなんですね。
清水●そうですね。僕は小さい頃から本を読んだり見たりするのが大好きでしたから。まぁ、とにかくまだ自分の写真集を出していないだけに、早く発刊できるようにがんばります。まとめたいテーマはいろいろあるのですが、今は内緒ということで…(笑)
 - はい、楽しみにしています。最後にネットをご覧いただいているアマチュアの写真ファンの方々にメッセージをお願いします。
清水●デジタル、フィルムに限らず、もっと写真撮影を楽しんで欲しいですね。上手下手は関係ないですから。“自分が感じた喜怒哀楽の瞬間にシャッターを押せる悦び”をとにかく感じて欲しいです。その撮影者の感情が写真から伝わってくればOKじゃないでしょうか。僕は小学校の低学年から写真を撮っていますが、20年以上経った今でも楽しくシャッターを押していられるのは、そんな写真の楽しさというか魅力が「まだまだあるのでは?」と感じられるからだと思います。よろしければ、写真展『ひだまり』もご高覧ください。

■清水哲朗写真展『ひだまり』
2007年1月27日(土)~2月9日(金)
10時~18時 (会期中休館なし。最終日は~14時)
富士フォトギャラリー五反田
(東京都品川区西五反田3-6-30)

※追加速報
写真展『ひだまり』のフォトエントランス日比谷での3月開催も急遽決定! 詳しくはあらためて写真展情報ページなどでお知らせいたします。

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